DAY2:ACO STAGE

DAY2:ACO STAGE

DAY2:ACO STAGE

01_フクザワ×河内健悟

二日目もACO-STAGEの幕開けはイラストレーター・フクザワとのコラボステージ。弾き語りは[ircle]のVo&Gt河内健悟だ。過去にもコラボ経験がある二人は、歌とライブペイントとの絶妙な呼吸を見せてくれた。『シリウス』を皮切りに、ソロ作品からの『ロードショー』『ベルス』といった幅広い選曲で、歌世界の情景を力強く表現していく。河内がフクザワと出会った頃の曲という『カゲロウと夏』では、シチュエーションにハマった歌が染み渡り、ラスト『嘘つき少年より』まで、シンプルな弾き語りながら見応えは抜群だった。フクザワは歌詞に呼応するかのように、黒いクレヨンによる無機質な少女に命の彩りを加え、女の子はいつしか美しく着飾った大人の女性に。歌にリンクする彼女のアートが、味わい深い温もりをステージに添えた。(TEXT:根本 豪)



 

02_山内彰馬

午後2時、ジリジリと高まっていく温度と湿度と不快指数。だが、そんな気ダルさを颯爽と断ち切ってくれたのが、[山内彰馬]の歌声だった。昨年の[ムロフェス]出演後に解散となってしまった元Shout it OutのVo&Gt山内。彼独特の瑞々しい歌声は、分厚い雲を突き抜けるような声量と力強さを伴って、広大な空へと広がっていく。見渡せば、フィールドはその伸びやかな歌に惹きつけられたオーディエンスに溢れていた。「ほんまの(自然の)風の中で歌えるってマジで幸せです」というMCからの『1969』では、「汐風を還して」「私から歌を奪わないで」という詞世界とピュアで真っ直ぐな想いが、オーディエンスを釘付けに。ソロとなり、一人の表現者として輝きを放ち続ける[山内彰馬]。ぜひ、この若き才能に触れてもらいたい。(TEXT:根本 豪)



 

03_majiko

椅子に座った身体を小さく揺さぶりながら、[majiko]は「君がここにいなければ 意味のない世界だ」と言葉を絞るように『ひび割れた世界』を歌いだした。沸きだす想いを身体から解き放たずにいられない。屋根のない舞台の上で、[majiko]は想いが募るたびに荒らぐ歌声を、天高く広がる空へ突き刺してゆく。「あなただけの人生を手に入れなさい」と自分自身へ言葉を向けてゆく『エミリーと15の約束』など、[majiko]はアコースティックという剥き出しな形を通すことで、足掻きながらも明日をつかもうとする様々な心の葛藤を、生々しい歌声に変え、ぶつけていった。その場にいた誰もが、揺れ動く感情のままに歌う彼女の姿へ自分の心模様を鏡のように合わせ、想いを重ねていた。[majiko]の歌は、まるで誰かに向けた恋文のようだ。(TEXT:長澤智典)



 

04_片平里菜

[片平里菜]の歌には、いつだって“女の子”の本心が生々しく、でも、少しの可愛らしさを持って描き出されている。この日のライブも、表面じゃなくもっと本当の姿を見てと、甘く軽やかな歌声を通し相手を諭すように歌う『Oh JANE』から始まった。愛したからこそ、全面幸福(降伏)した想いを歌った『女の子は泣かない』など、彼女は心を着飾ることなく、ありのままの姿と声で悲喜様々な心模様を届けてゆく。少しねだるような様で歌う姿に男心がキュッと疼けば、女性たちはそこへチャーミングさを覚えていた。自立した女性だからゆえの心の強がりを歌った『BAD GIRL』でも、あふれる涙を掬いきれずに慰めるように歌った『夏の夜』を通しても、何時だって[片平里菜]は着飾らない素顔で歌を届けていた。その歌が、とても愛おしかった。(TEXT:長澤智典)