DAY2:RO-LEFT STAGE

DAY2:RO-LEFT STAGE

DAY2:RO-LEFT STAGE

01_PAN

RO-STAGEのトップを飾るのは、信頼と実績を誇る[PAN]。まだ眠っている身体を裏打ちビートで起こすかのような『今日だけ祭り』でスタート! 川さん(Vo)が「ショルダーカー!プリーズ!」と外国のお客さんにMCするも、直訳すぎて伝わらない。「マイネームイズアキラ!ショルダーオンザアキラ、プリーズ!」で肩車が成功。最高が過ぎる。オーディエンスも惹き込まれ、エリアいっぱいに人が溢れる中『ギョウザ食べチャイナ』『直感ベイベー』のファンク、スカパンクなナンバーでアゲアゲムードを支配する。通常はパンを投げるパフォーマンスも今日はないとのこと。「今日は言葉と気合いと、この靴だけ!」と言い放ち、猛スピードで靴を飛ばすとオーディエンスもそれに応えんばかりにダイブで応酬。最高な1日の始まり。(TEXT:Fumi)



 

03_Amelie

5分間の音合わせ、リハーサルから全力でオーディエンスと楽しむ。mick(Vo&Gt&Pi)にとって1秒だって無駄な時間なんてないんだろう。「今年も[ムロフェス]から夏フェスのスタートだ!」と元気に挨拶し『手紙』をプレイ。百戦錬磨の彼女らだけあって、楽曲、パフォーマンスは隙を感じさせないし、迫力も十分。「あっちーな!」とおてんば全開の埼玉女子mickのMC。元気で可愛い女の子のアイコンなんだろう、mickコスのような女の子もエリアに多い。新曲『手と手』ではエモーショナルなギターロックを披露する。「室さんと、みんなとこの時間を共有できたことは明日への誇りになった」と話すと、ラスト『朝は来る』へと繋ぐ。4人が放った音塊を真っ直ぐに受け止めた。(TEXT:Fumi)



 

05_THE BOYS&GIRLS

バンド一丸となって音楽で夢を追うのではなく、“諦められなかった選択”をしたワタナベシンゴ(Vo)。それでいいし、それがいい。
『陽炎』でスタートし、自らがダイブする姿に波乱の予感。『階段に座って』では、途中スピーカへよじ登って歌う。そうこなくっちゃ。「俺が思ってるロックバンドはこれじゃない」と言いつつも、チャレンジすることをやめない男。当日の朝、室氏の「これはフェスじゃない、ライブハウスのイベントです」との挨拶を受けて、彼はラストの『ライク・ア・ローリング・ソング』でステージ上にお客さんを何十人も上げ、「俺はこれがライブハウスだと思ってる、これが渋谷O-Crestです」という解釈を披露。お客さんの楽しそうな笑顔が何よりの答えだろう。挫折を味わった男の青春はまだまだ続く。(TEXT:Fumi)



 

07_trico

14時45分、晴れ間が見えてきた。海からの心地良い風に乗せて[trico]サウンドが涼感を倍増させる。『flash!!color』でスタート。千葉出身、7回目の出場という常連バンドである。エリアとのムード作りを楽しみ、チルするには持ってこいな大人のサウンド。『移動』ではtakashiishiwata(Ba)が右手でベースを弾き、左手でパーカッションを振るというテクニックも見せ、多彩にバンドアンサンブルを広げる。「室さん、スタッフの皆さんお疲れ様です」と労いの言葉をかけ立崎雄一郎(Vo&Gt)がエレキからアコギへ持ち替え『music』をプレイ。アコギの豊潤な音色は疲れた身体も癒してくれる。ラスト『拍手喝采』ではタイトル通り、エリアからの拍手喝采に包まれた。(TEXT:Fumi)



 

09_KAKASHI

ドラムセット前での円陣から、振り向きざまに「やろうぜ!」とひと吠え。艶やかでギラついた[KAKASHI]のROCK SHOWがスタート。感情の乗ったVo&Gt堀越颯太の歌をグングン後押しする強靭なリズムと、全方位にスケールを広げていく伸びやかなギターリフ。バンドの熱量に導かれるように、雲間から陽が射し、咲き乱れる拳のコントラストも豊かに、熱狂のフィールドを浮かび上がらせる。
「今年も小さいほうのステージに立たせてもらうことができました。感謝してます。悔しさはあるけどね」と、意地を推進力に変えて轟音を走らせる。這い上がっていくバンドの“今”の姿を生々しく体感できるのも、RO-STAGEの魅力のひとつだ。渾身のド直球をひたすら投げ続け、終盤『変わらないもの』でようやく見せたメンバーの笑顔が最高に輝いていた。(TEXT:根本 豪)



 

11_空きっ腹に酒

理屈も屁理屈もいらない。欲しいのは、ただ一つ。それは“楽しむ”こと。その姿勢を胸に、ヘヴィでファンキーなダンスロックナンバーを[空きっ腹に酒]は舞台上から次々とぶちかましてきた。ラップ調の節回しを持って、気持ちを鼓舞する言葉を速射砲の如く打ち放つ田中幸輝(Vo)。彼が伝えたいシニカルで強いメッセージを、高揚へ導くグルーヴに乗せて伝える演奏陣。『BOOOOM』『愛されたいピーポー』と、楽曲を重ねるごとに熱の上がるフロア。『正常な脳』では「MU」「RO」や「空きっ腹に」「酒」のやり取りも。テンション高い彼らの演奏に誘われるまま、気持ちが動くままに声を上げて騒げばいい。2STEPを踏みながら存分に踊ればいい。音楽は自由だ。[空きっ腹に酒]は、自分を開放し楽しむ連中を、その場にたくさん生み出していた。(TEXT:長澤智典)



 

13_folca

ヒステリックなギターサウンドが、心地好い緊張感を連れ会場中へ響き渡る。頭の螺子を一気に緩めるよう、[folca]は『クレイジーショウタイム』を演奏。脳髄を掻き乱すサイコティックな演奏の上で、山下(Vo)が沸き立つ感情のままに、空へ向かって歌を突きつけてゆく。バンドが提唱するクレイジーなショータイムのスタートだ。『capture』のように、常にソリッドな演奏で観客たちの感情を煽り続ける楽器陣。対して歌心を持った山下の声が、触れた人たちの気持ちを温かく包んでゆく。そのギャップにも、心は引き寄せられていた。『シリアスミステリアス』などを通し、[folca]は熱を持った音楽をガシガシと突き刺していく。いつしか仲間のバンドマンたちもステージへ飛び入りし、客席へダイブ。触れた人の心へ熱い血潮を注ぎ込む歌は、確かに光輝いていた。(TEXT:長澤智典)



 

15_HERE

自ら「日本で最もハイテンションなバンド」と名乗り、RO-STAGE2日目の大トリとして[HERE]が登場。ド頭から、相撲の突っ張りポーズを決め『はっきよい』を歌いだせば、昭和のロカビリースターのような匂いを漂わせ、情熱歌謡ロックの『ギラギラBODY&SOUL』を演奏。「この俺のハイテンションに勝てるかい!?」と尾形回帰(Vo)が煽りながら、[HERE]流ハードロックナンバー『土壇場READY GO』をぶち込めば、『HELLO』では青春模様を満載した歌を届ける。次々と表情を変えながら、[HERE]は観客たちをグイグイと自分たちの懐へ呑み込んでいった。とにかく、終始ハイテンション。初見も常連も関係ない。何時しか会場中の人たちが彼らの熱い気迫に巻き込まれ、一緒に拳を振り上げ騒いでいた。まさに、トルネードのようなお祭野郎たちだ。(TEXT:長澤智典)