DAY1:ACO STAGE

DAY1:ACO STAGE

DAY1:ACO STAGE

01_フクザワ×高津戸信幸

ステージ背面をイラストレーター・フクザワのクレヨンアートが飾る、ゆったりした夏の情緒をたたえるACO-STAGE。トップバッターは[MAGIC OF LiFE]の高津戸信幸による弾き語りと、フクザワのライブペイントとのセッション。「カラダを揺らしながら楽しんでください」と、『探し物』が夏の穏やかな情景へと扉を開き、美しいアコギの音色と澄んだ歌声が空気に溶け込んでいく。その優しい旋律はフクザワの指先から画用紙へ。リラックスした2人の掛け合いも楽しみながらの全4曲。フクザワが描いたのは、目を瞑った少女が目を醒まし、徐々に鮮やかな命の精彩を帯びていくストーリー。神秘的な輝きを注ぎ込まれたイラストの主人公さながらに、清浄なパワーをフィールドに染み渡らせた。
(TEXT:根本 豪)



 

02_タカヒロキ

[忘れらんねえよ]柴田隆浩(Vo&Gt)と[LEGO BIG MORL]タナカヒロキ(Gt)による弾き語りユニット[タカヒロキ]。SEの『ワタリドリ』に乗って、オーディエンスが二人をステージへと担ぎ上げる“フタリドリ”仕様の登場から始まり、「新曲やります!」の第一声とともに放たれた『SAY YES』でしかない名曲カヴァー。ド頭からブッ込んだ笑いが終始響き渡る時間だった。笑いの瞬発力も高ければ、興奮や感動をダイレクトに響かせる浸透力も抜群。『運命の人』で軽快に身体を揺らし、『あなたがいればいいのに』では柴田の前のめりな感情表現に否応なく心を射抜かれる。本人たちも目一杯遊ぶが、オーディエンスもとことん楽しませる。笑いも感動もどっさり投入した二人の実力と存在感を、改めて知らしめる濃密な25分だった。(TEXT:根本 豪)



 

03_秋山黄色

蝉の声と海風が心地よい夕刻。無造作な金髪に長身痩躯、自然体だが素っ気ないとも言える登場に空気が凛とする。「座ってもいいですよ。自由に楽しんでください」と一言。始まるや、一気に自分の世界へと引き込んでいく[秋山黄色]。リアルタイムでのフレーズサンプリングや、声音を自在に色付けるエフェクトワークなど、新世代のエッジが空気を裂いて、自然の中に異空間を出現させる。胸の内に膨らんだ興奮も、ラスト『猿上がりシティーポップ』ではたまらず爆発。オーディエンスは総立ちで肩を揺らし、拳を突き上げて躍動する。「来年はバンドで来るぜ!」とひと吠え。鋭い爪痕は、期待と清々しい余韻となった。(TEXT:根本 豪)



 

04_大平伸正

雨上がりのひと時、バンド[ghostnote]のVo&Gtとしても活躍しながら、一人のシンガーソングライターとしても全国行脚を行う[大平伸正]が登場。真っ直ぐな言葉に豊かな情緒を纏わせながら、涼しい風や風景に歌とアコギを溶け込ませる。ふと気づけば、他ステージの出演者も多く集まり、笑顔で見守っていた。「俺は室さんのことが大好きで。そんな大切な人が大切にしてるこの場所で、室さんの人生と俺の人生が交れたことを嬉しく思います。そして今日、俺は皆んなとも心で繋がりに来ました」想いを込めた『アマノガワ』は美しい情景を描き、フィールド全体を優しく包み込む。シンプルな演奏を無限に広げるような鍛え抜かれた表現力。その人柄も滲み出てるような、懐の広い歌世界を堪能した。(TEXT:根本 豪)