DAY1:RO-LEFT STAGE

DAY1:RO-LEFT STAGE

DAY1:RO-LEFT STAGE

01_climbgrow

会場の一番奥に設置されたRO-STAGE。2日合わせて30組のアーティストがその情熱を打ち鳴らす。“RO”とは、主催者・室(MURO)氏のイニシャルであると同時に“Rock”のイニシャルでもある。このステージの口火を切るのは、日本の“Rock’n’roll”の次世代を担う[climbgrow]。Vo&Gt杉野の咆哮と共に鮮やかな火花が散る。大舞台を経験し、よりオーディエンスを引き込む力が増した彼ら。幕開けからアンセム『極彩色の夜へ』をフロアに投下、ラストの『風夜更け』まで、観る者を鼓舞し、魂を揺さぶり、情熱の色に染めていく。ヒリヒリとした空気の中に、極彩色の輝き。最高の開幕を決めた。(TEXT:ひでやん)



 

03_Bentham

溢れ出る多幸感。その源は、洗練された技術を媒体に、増幅されたセンスと知性。[Bentham]が曇り空の下、ステージとフロアを青空にしていく。彼らのステージには、“魅了する”という表現が似合う。軽やかに見えて力強い、柔らかに装い、強固。心地よいグルーブと、巧みなコーラス。鼓膜いっぱいに溢れる倍音は心地よく、自然と体が揺れ、フロアにも沢山の笑みが見える。“北風と太陽”のように、旅人(観客)の心の衣を脱がせたもの。それは、演者のこれまでの日々の歩みで培った誇りだ。Vo&Gt小関が指差した雲間の青空。その青は、この時間の象徴になった。(TEXT:ひでやん)



 

05_The Cheserasera

「辞めていくヤツを見ると、また強くなった気で歌っています」
そう話すのは[The Cheserasera]のVo&Gt宍戸。このバンドは熱い。心が、きっと炎と燃えて。その彼らの熱は、温め、癒し、歩ませる。バンドに、いや、生きること全てに付きまとう“葛藤”、それを隠さずにさらけ出す宍戸。柔らかくも鋼の芯を持つ彼の声。その魅力をBa西田、Dr美代が後押し、加速させる。『幻』の中で歌われた「僕はあなたの味方」というフレーズ。優しさは強さだ。25分を美しく寄り添い、力強く駆け抜けた。(TEXT:ひでやん)



 

07_2

日が少し傾いて、柔らかい風が吹いて来た。中盤に差し掛かるステージに登場したのは[2]。Vo&Gt古舘、Gt加藤、Ba赤坂、Dr yucco。それぞれに華のあるメンバーが、掻き鳴らし打ち鳴らし続けるのは、衝動と欲求とエイトビート。だが一見直球に見えて、楽曲タイトルにある『ニヒリズム』『ルシファー』等、ひと筋縄ではいかない。それはまさに超高速スライダー。王道エイトビートと高速変化球が華やかなメンバーと掛け算になって、このバンドの中毒性をもたらす。バンドに負けじと、拳を上げ歓声を上げるオーディエンス。このステージの熱を高めていく。(TEXT:ひでやん)



 

09_BAN'S ENCOUNTER

“いくつまでを青春とするか?”、その疑問の返答は[BAN’S ENCOUNTER]が出してくれるはずだ。「壁のない場所でライブをやると、どこまでも飛んで行きそうな気がします」、Vo&Gt松尾はそう言った。カッコつけてもない素直な気持ちで、そう彼が言葉にしている事は誰にとっても明白。青くても不器用でも構わない。自分の気持ちに素直に生きる。そんな彼らだからこそ、見つめるオーディエンスの目も温かい。そんな幸福な関係。[BAN’S ENCOUNTER]には夏が似合う。彼らがいる事で、このフェス自体が誰しもの青春になりえる。そう思わせてくれるステージだった。(TEXT:ひでやん)



 

11_Unblock

[Unblock]は小雨の振り出したステージに立った。Vo&Ba田口の「1番前から1番後ろまで貫きにきました」というその言葉のまま。それ以上もそれ以下もない。何もかも関係ない。いつものライブハウスと同じように、ひたすらに自分たちの存在証明を鳴らす。その美しい姿を、対峙するそれぞれが目に焼き付ける。勿論、音楽フェスにとって、悪天候は天敵である。だが、このバンドには雨が似合う気がした。ずぶ濡れですくい上げた希望。それこそが、真の光なのではないか。彼らは貫いた。自分たちを。(TEXT:ひでやん)



 

13_CIVILIAN

終盤に差し掛かり、空には薄っすらとオレンジが混ざる。『メシア』からライブスタートの[CIVILIAN]。メランコリックな音色が景色に映える。ドラマがあった。MCでVo&Gtコヤマが口にしたのは、昨年このフェスに出演した時の悔しさ。その言葉に続いたのは、主催者室氏への感謝。このフェスは、室氏とその周りのバンドマン、関係者によって作られている。つまり、仲間との歴史、歩み、そのものである。それが象徴されるシーンだった。ライブの締めくくりは『I feat.まねきケチャ』。捉えて離さない物語を刻んでいった。(TEXT:ひでやん)



 

15_ReVision of Sense

このステージのトリを勤めたのは[ReVision of Sense]。Vo河井は高らかに宣言。「今日みたいな日は燃えるでー!!」。その言葉の通り、派手なフィナーレを盛大にやり散らかした。『ダメ、絶対、現実逃避』『ヨノナカカネ』『ヨノナカカオ』まで、オーディエンスを祭りへ道連れ。ハンドクラップ、シンガロング、サークルモッシュ、果てはVo河井がオーディエンスに肩車されMU-STAGEフロアに乱入等、これでもかと祭りを極めた後に、「僕は、バンドで人生変えます!」と語る。その信念が強く伝わったからこそ、誰もが笑い、ワクワクする。そんなフィナーレを作ることができたのだろう。1日目、室氏の情熱、信念をしっかりと受け継いだバンド、スタッフ、そして、熱いオーディエンスにより、盛大にRO-STAGEは幕を閉じた。(TEXT:ひでやん)