MURO FESTIVAL 2018

DAY2:TR STAGE

DAY2:TR STAGE

DAY2:TR STAGE

01_The Floor

初日に比べ、風があり若干涼しいような気もするが、アスファルトの照り返しは相変わらずハンパなく、足の裏まで熱が伝わる。熱中症等、ネガティヴな思い出ができないように、お客さんも演者もスタッフも、皆声を掛け合っている。

2日目のトップバッターを飾るのは北海道出身の[The Floor]。「ムロフェス、おはよう! みんなで水を飲みません?」と声高らかにササキハヤト(Gt&Vo)が促し『リップサービス』でスタート! 午前中からリズミカルなダンスロックチューンで踊らせる、踊らせる! 「最高のイベントを最後まで楽しめるように」とMCでもう一度給水を促し「ちっぽけな自分を変えてやりたい」と続けて新曲『革命を鳴らせ』を披露。ラストは『イージーエンターテイメント』の涼しげなロックサウンドに、客席からは鳴り止まないクラップが響いた。(TEXT:Fumi)



 

02_BAN’S ENCOUNTER

続いては長崎出身の3ピースロックバンド[BAN’S ENCOUNTER]が登場。それにしても初日からFender系のギタリストが多い。現代の主流なんでしょうか。松尾洋平(Gt&Vo)がストラトをかき鳴らして『信じる唄』でスタート。『17』『ライフライクマンガ』と、無骨で荒削りでストレートなロックナンバーを力強い歌声でフロアへぶつける。昨年ムロフェス後夜祭に出演した際、ムロ氏に「来年は本祭に出れたら良いね」と言われたそうで、想いが結実したようだ。「今日このステージに立てた事に意味を感じてます」と、全6曲を披露した。(TEXT:Fumi)



 

03_Age Factory

これまでの出演バンドとはガラリと異質な雰囲気を醸し出して登場したのは奈良出身の[Age Factory]。「晴天に合う、超絶わかりやすい曲」と清水エイスケ(Vo&Gt)が言い放ち『Moony』でスタート。野外フェスのパブリックイメージ“笑顔”を必要としない、男気溢れる、熱くもクールな轟音ステージングに客席も拳を上げ、シンガロングで応える。「辛気臭せぇ曲は歌いたくねぇんだ、気持ちよくブッ殺してやる!」と、『CLEAN UP』のハードコアなイントロが始まるとフロアはヘドバンの嵐。そして西口直人(Ba&Cho)の、木が欠けまくったベースに驚いた。だが音的にも問題なく、ラップMCに合わせてチョッパーを弾いていた姿が脳裏に焼きついている。(TEXT:Fumi)



 

04_忘れらんねえよ柴田 with タナカヒロキ(LEGO BIG MORL)

リハーサルで華原朋美『I’m proud』を熱唱、入場SEは[ALEXANDROS]の『ワタリドリ』、で登場した[忘れらんねえよ柴田 with タナカヒロキ(LEGO BIG MORL)]。めちゃくちゃである(笑)。昨年に続き2回目の出演。客席後方から柴田隆浩が逆ダイヴでステージに到着すると『この高鳴りをなんと呼ぶ』でスタート。「ベースが抜けて今俺は孤立してるんで」と自虐的なMCを挟み『犬にしてくれ』の苦笑いが止まらない流れが最高。ラストは『忘れらんねえよ』で客席は大合唱の嵐。お客さんの上に立ち、ビールを一気、やりたい放題ではあるが、何ともグッとくるステージだった。(TEXT:Fumi)



 

05_松尾昭彦バンド

体調不良を乗り越え、ムロフェスに登場を果たした[松尾昭彦バンド]。蝉時雨が降り注ぐ中、静かなオープニングから徐々に熱を帯びていく『本当のこと』でバンドは一気に激情を放出、それと同時にこの日を待っていたオーディエンスの興奮もいきなりのピークへ。叙情的で映像が浮かぶような松尾(Vo&Ba)の言葉は、音の洪水とともに感情の奔流となって溢れ出る。その熱量は猛烈な渦を巻き、初めて観る人を虜にし、新たに人々をTR STAGEへと吸い寄せていく。その状況下でもバンドは「ムロフェス史上一番パンクなライヴして帰りましょう」と、動物的な凄まじいパフォーマンスを繰り広げるのみだ。最後にバンドはステージを大きく揺らし、松尾はベースを叩きつける圧巻のエンディング。衝撃とともに、全てを曝け出したバンド像をきっちり焼け付けた。(TEXT:根本 豪)



 

06_KOTORI

午後3時30分。まだまだ暑いがTR STAGEがギュウギュウなのも変わらないのが凄い。[KOTORI]の登場である。『ジャズマスター』でスタートし、心配になるくらいお客さんの熱量が凄まじい。エレクトリックであったり、シンプルなロックなど、表情豊かな楽曲が多いのも特徴的。『EVERGREEN』では横山優也(Vo&Gt)の顔が真っ赤にして歌い、横山が歌わないところでもお客さんが一緒に歌う、一体感あるステージとなったのが印象的だった。ラスト『kaze』では横山がフロアへダイヴ。お客さんもダイヴしまくりなカオス状態。ほぼMCも入れずに全7曲を駆け抜けた。(TEXT:Fumi)



 

07_folca

客層がガラリと変わり、登場したのは昨年に続き出演の4ピースロックバンド[folca]。『クレイジーショウタイム』が始まると真夏の野外フェス会場が、妖しいライヴハウスに一瞬で変わるような錯覚を覚える。ライヴハウスで鍛えた実力だろう。「クソみたいな事も感動する事もたくさんライヴハウスにあります。みんなありがとうな!」と山下英将(Vo&Gt)が熱いMCすると黄色い声援があがり、そのまま『シリアスミステリアス』へとなだれ込む。今日のライヴを明日のライヴハウスへ繫げて行くという意識の高さが、ステージの組み立て方にも強く表れていた。(TEXT:Fumi)



 

08_LONGMAN

続いて男女ツインボーカル、愛媛出身の3ピースメロディックバンド[LONGMAN]がムロフェス初出演。HIROYA HIRAI(Vo&Gt)の純朴なMCと、SAWA YORIKI(Vo&Ba)の可愛い雰囲気が絶妙なバランスで、それだけでなぜか涙が出そうになる。『IN THIS WAY』でスタートすると客席のキッズはスカダンスやダイヴの応酬。SAWAの喉の治療とリハビリのため1年間バンドは活動休止していたが、復活を果たし、未来へ向かっていく気持ちが溢れた終始ハッピーな空間。9月には新作リリースとの事で新曲『WALKING』も披露。「みんながおってくれてこそ成り立つ事。これから3人で少しずつお返しして行きます」とMCしラスト『1919』をプレイ。これからの活躍が楽しみでならない。(TEXT:Fumi)



 

09_Amelie

夕陽が赤く染まってきた心地よい時間帯に「今年のムロフェスのてっぺん取りに来ました!」とmick(Vo,Gt,Key)が宣誓。トリ前に勢いよく現れたのは、昨年に続き2回目の出演の[Amelie]。『ゼロじゃない』『ライアーゲームじゃ始まらない』を息つく間もなく畳み掛ける。ギターやキーボードを弾きながら歌を歌い、縦横無尽に飛び回るmickのエネルギッシュなステージング。女の子って凄い! 「室さんがこのステージに選んでくれた事、今みんなが見てくれてる事が何より幸せです!」と思いをストレートに伝え、ラストには声高らかに『ヒーロー』をプレイ。みんな良い顔してました。(TEXT:Fumi)



 

10_ビレッジマンズストア

泣いても笑ってもムロフェス2018、TR STAGEのラストである。トリを務めるのは深紅の揃いのスーツで登場した[ビレッジマンズストア]。登場した瞬間からボルテージは最高潮で『夢の中ではない』でロックンロールを炸裂。客席も熱狂の渦に。『トラップ』では岩原洋平、荒金祐太朗の両ギターがスピーカーに登ってプレイ。個人的に、登る所があれば登ってしまうバンドマンが私は好きだ。『逃げてくあの娘にゃ聴こえない』では両ギターが客席へダイヴ、『PINK』では水野ギイ(Vo)がダイヴ。この非常識でエキセントリックなステージングにフロアも爆発。ラスト、水野が投げキッスをして終了かと思いきや、アンコール『WENDY』で締め。終わってしまった寂寥感と最高の音楽で得た高揚感でぐちゃぐちゃだ。(TEXT:Fumi)

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