MURO FESTIVAL 2018

DAY2:RIGHT STAGE

DAY2:RIGHT STAGE

DAY2:RIGHT STAGE

02_GRAND FAMILY ORCHESTRA

気迫溢れるシャウトから始まった[GRAND FAMILY ORCHESTRA]。都会的なファンクやソウルといったアプローチもありながら、ストリートを感じさせるリアルな熱量をまとったロックがお台場の地を揺らす。「全部ありがとうしかない。“全部”ってスゲェ弱い言葉だって思うだけど、俺らを観にきてくれてた人、今ここで観てくれてるみんな、室さん、スタッフ、家族、ライヴハウスで出会った仲間、ここに立つことができなかった仲間…もう全部ありがとう」
一昨年、そして今年5月と、立て続けにメンバーの不幸に見舞われながらも、その遺志を汲んでムロフェスのステージに立った彼ら。思いの全てを浴びせるように前のめりにパフォーマンスし、同時にライヴできる喜びを喰らい尽くすかのようにフロアへ飛び出す松山晃太(Vo&Gt)。心底からの魂の叫びが胸に響くステージだった。(TEXT:根本 豪)



 

04_ラックライフ

サウンドチェックから様々な楽曲を披露した上でシッカリ笑いもとる、サービス精神たっぷりな人柄も覗かせた[ラックライフ]が大いに会場を沸かせた。PON(Vo&Gt)がド頭から空気をグングンと引っ張れば、リズムアンサンブルはダイナミックに躍動。それに呼応して、オーディエンスのハンドクラップや突き上がる拳がフロアを彩った。
「心をたくさんこめて、あなたの心に突き刺さって抜けないような歌をお届けしに来ました」
『名前を呼ぶよ』ではPONのふくよかな歌声がシットリと、言葉が胸の奥深くまでしっかり響く。その心地よさに身を委ね、ドリンク片手にゆったり踊るオーディエンスがあちらこちらに溢れる。万人に至福をもたらす音楽力の強さを見せつけてくれた。(TEXT:根本 豪)



 

06_魔法少女になり隊

青空のお台場に鳴り響く、ド派手なピコピコ電子音。異質な要素が突如襲来したかと思えば、問答無用で火寺バジル(Vo)が髪を振り乱して煽り立て、gari(VJ&Vo)の鋭いシャウトが一閃。一気に会場を非日常空間へと変貌させた[魔法少女になり隊]の登場だ。だが、このシチュエーションとの相性…これが決して悪くない。モノレールや観覧車を擁する眺望に絶妙なマッチングを見せ、非日常を加速させる。ブチ上げナンバー『完全無敵のぶっとバスターX』から始まったメニュー攻勢は、息つく暇を与えぬお祭り仕様、ステージ前の熱狂はいうまでもなく、会場全体にパーティ・ストームが吹き荒れた。MCもそこそこに全5曲をたたみかけ、ラスト『冒険の書1』ではステージ最前でオーディエンスを煽る4人の姿に頼もしさを感じさせる貫禄のステージだった。(TEXT:根本 豪)



 

08_バックドロップシンデレラ

「我々、"フェス出せ"と歌っておりますが、7年前から呼んでくれたのはムロフェスだけ!」と豊島”ペリー来航”渉(Gt&Vo)が語ったように、ムロフェスと縁深い存在なのが[バックドロップシンデレラ]だろう。『だんご3兄弟』をゴキゲンに奏でる等、一見トリッキーなアプローチも多いバンドだが、その実力は折り紙付き。当然、待ち構えていたオーディエンスも多く、豊島が「バクシンのライヴは踊らないヤツより踊るヤツが偉い!」と叫び『月あかりウンザウンザを踊る』を放てば、もう狂乱状態のダンスフロアが一面に広がっていくのだ。太陽に、日射しに負けない、突き抜けたエネルギーで会場全体を魅了しっぱなし。終盤にはでんでけあゆみ(Vo)がステージのセットをよじ登って踊り出すほど、最高の宴が繰り広げられていった。(TEXT:ヤコウリュウジ)



 

10_バズマザーズ

整えすぎない、ザラつきの残るロックでインパクトを残したのが[バズマザーズ]だろう。情熱的なロックンロールで攻め立てていき、ギターの弦が切れる場面もあったが、そんなことぐらいじゃパワーダウンはしない踏み込んだパフォーマンス。そそるイントロから巧みにフレーズを繋いだ『仮想現実のマリア』から様々なエッセンスに彩られた曲たちをメドレー形式で叩き込み、絶賛ツアー中であるというバンドのコンディションの良さを見せつけてくれる。絶妙なドライブ感で圧倒しながら進む『スキャンティースティーラー』も秀逸であったが、何と言っても最後を締めくくった『ワイセツミー』の衝撃が凄まじかった。脳みそをかき回されるような、鋭さを伴った爆発力。情熱の帯び方も半端じゃなかった。(TEXT:ヤコウリュウジ)



 

12_WOMCADOLE

どこまでも挑発的かつ挑戦的に切り込んで切ったのが[WOMCADOLE]。「やる気あんの、お前ら?」と樋口侑希(Vo&Gt)が振り切った言葉を投げつけ、古澤徳之(Gt&Cho)がかかってこいよと言わんばかりの視線で客席を見渡せば、オーディエンスは拳を高く掲げて応戦し、混じりっ気のない想いがぶつかり合っていく。『絶望を撃て』で衝動的なロックンロールをぶちかました後、樋口が「どこまでやっても不器用なので、足りないまま、100%のグーパンチを放とうと思いますが、受け止めてくれますか?」と『アオキハルへ』をプレイすれば、客席前方にオーディエンスがより駆け寄り、ダイバーも出現。思わず「いい顔してるじゃねえかよ!」と樋口がこぼすほどの熱狂が生まれていく。ラストの『綺麗な空はある日突然に』は、ど頭から大合唱が巻き起こるほど、会場は燃え上がっていた。(TEXT:ヤコウリュウジ)



 

14_SIX LOUNGE

「涼しくなってきたけど、オレの心はふつふつと燃えています!」
そう語り、『プラマイゼロ』の勢いあるビートで口火を切った[SIX LOUNGE]のステージ。『LULU』『トラッシュ』と、ムードこそ違えど、いずれも叩きつけるような激しさ、疾走感のある曲で、観客を大いにシビレさせる。
「何かが足りないんじゃないでしょうか。R&Rが足りないんじゃないですか、ムロフェス!」
まさに王道。純然たるR&Rを独自の歌心とともに響かせる彼らだが、こうして同世代のバンドが集結すると異端にさえ感じるところが興味深い。これもフェスの醍醐味だ。ラスト『僕を撃て』まで、全球直球勝負の潔さ。大分から飛び出した彼らの勢いは、まだまだ加速していくだろう。(TEXT:伏見 聡)



 

16_BLUE ENCOUNT

リハで本気の『Survivor』を披露し、既に大熱狂。「もういく? このまま(笑)」と『VS』を繰り出すと、そのビートと音圧に会場中が惹き寄せられていく。3年ぶりの参戦となった[BLUE ENCOUNT]。田邊駿一(Vo&Gt)が半ば強要した客席からの“お帰り”コールには、4人が笑顔で応える。高い演奏力が生み出すソリッドなサウンドで、ライヴ定番曲『THANKS』、『DAY×DAY』を畳み掛けた中盤。後方にはサークルも出現し、まさに会場中が熱狂の渦!  “いろんなことを教えてくれたO-Crestでできた曲”と紹介した『HANDS』の歌詞もだが、彼らのステージに一貫して滲むポジティヴなメッセージが、終焉に近づくフェスを奮い立たせていた。(TEXT:伏見 聡)



 

18_アルカラ

[アルカラ]が『はじまりのうた』をスタートする時点ですでに会場は一体となり、このフェスの最後を盛大に締めくくる準備ができていた。『アブノーマルが足りない』の爆裂するリズムに、凄まじい激しさで波打つオーディエンス。「室くんがむっちゃカッコええやんって言ってくれたこの曲」と紹介された『さすらい』から『はてない』へと流れ、すっかり夜景となったお台場にマッチした世界がドラマチックに広がる。「10年、20年、30年、40年、50年…あの世に行っても続けるそれがムロフェス〜♪ ムロフェスにずっと続いてもらいたい、一緒に未来を作っていきたいということでこの曲を最後に」、そんなMCからの『ミ・ラ・イ・ノ・オ・ト』で、彼らのステージは締めくくられた。 (ほぼ)全バンドのステージを観たという稲村太佑(Vo&Gt)が、1バンドずつの感想を語り続けること約7分…。その後、この日の出演者ほか多くのアーティストたちがステージに集結し、主宰者・室氏による「一生青春」コールで大団円となった。2日間、総勢56バンドが出演したこのフェスを総括し、室氏が感謝の言葉を述べた。来年は会場を変えての開催となる見通しとのことだが、こんなに素晴らしいバンド達が集まって、素晴らしい音楽に浸り続けられる日があるなら、場所なんかどこでもいい…、誰もがそう思ったはずだ。(TEXT:伏見 聡)

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